【「痛みがなくなったこと」には、気づけない。】
痛みって不思議だと思いませんか?
痛いときにはすぐ気づくのに、痛みが消えた瞬間って、ほとんどの人が気づけないんです。
痛みがあるときは、意識にしっかりのぼってきます。でも、なくなった瞬間、それはまるで煙のように、意識の外へと消えてしまいます。
「今、痛みがなくなった」と明確に感じられるのは、ほんの一瞬だけ。気づいたときには、もう遅いんですね。
「喉元すぎれば熱さを忘れる」という言葉がありますが、まさにそれ。痛みがなくなったことは感覚としてとらえられず、無意識のうちに過ぎていってしまいます。
そして、無意識に消えてしまったものを、あとから意識で探すことはできません。
さらに、過去の痛みと今の痛みを比べることもできません。痛みは記憶にしっかりとは残らず、「あのときより楽かな?」「あの時より痛くなったかな」「あの時と変わらないかな」という判断は、感覚の印象でしかないからです。
つまり----痛みというのは、「あるときだけ意識できて、なくなったときには意識できない」、そんなふしぎな性質を持った感覚なのです。



